全国の“遊びのプロ”が動き出す!JUMP-JAMでつながる、6.11国際遊びの日!

2025年6月11日(水)、国連が定めた「国際遊びの日(International Day of Play)」にあわせて、全国の児童館職員および放課後児童クラブ職員を対象とした研修会「JUMP-JAMスタッフトレーニング」が開催されました。

このトレーニングは、運動の苦手な子でも夢中になって身体を動かし、仲間と協力しながら楽しめる運動遊び「JUMP-JAM」の実践方法を学ぶことを目的としています。JUMP-JAMは、2017年の開始以来、全国各地で導入されてきた実績あるプログラムで、今年で9年目を迎えます。初年度は10か所の児童館からスタートし、こどもの「遊び」を通じた健やかな成長を支えてきたこのプログラムは、今や多くの現場で欠かせない存在になっています。これまでのトレーニング修了者は2,560名を超え、実施個所は全国で753か所に達しています。

トレーニングでは、JUMP-JAMの魅力と効果を座学と実技の両面から深く体感します。講師は各児童館に所属し、トレーナートレーニング(指導者養成)修了者であるJUMP-JAMトレーナーが担当しました。得た知識と技術を地域に持ち帰り、日々の活動に取り入れることで、全国の放課後の居場所における「遊び」の質の向上と広がりが期待されます。

なぜ日本では「遊び」が広がらないのか?

〜こどもの健やかな成長に欠かせない“遊び”の今〜

こどもにとって「遊び」は、心と身体の発達に欠かせない営みです。しかし、日本ではその「遊び」が十分に広がっているとは言えません。なぜなのでしょうか?その背景には、いくつかの社会的・文化的な要因があることが見えてきました。

1. こどもの生活時間の過密化

学校、宿題、習い事、長距離通学など、こどもの毎日は非常に忙しくなっています。高学年になるほど、自由に遊ぶ時間が確保しづらくなり、心身のリフレッシュや創造的な活動などの体験機会が失われる傾向があります。

2. 遊び場の減少と都市環境の制約

安全に遊べる場所が減少しています。公園から遊具が撤去され、ボール遊びや大声を出すことが禁止されている場所も多く、こどもがのびのびと身体を動かして遊べる環境が限られる傾向があります。

3. 遊びより勉強が優先される社会構造

学力重視の風潮により、こどもの放課後は塾や習い事で埋まりがちです。保護者の間でも「遊ぶより勉強を」という価値観が強く、こどもの自由な遊びの時間が削られる傾向があります。

4. 大人の「遊び」への理解不足

「遊び=無駄・休息」といった誤解が一部の保護者や教育関係者の間に見られます。実際には、遊びを通じてこどもは社会性、創造性、身体能力など多くの力を育んでいますが、その価値が十分に理解されていない現状があります。

5. 社会的認識のギャップと政策課題

「遊び」の重要性は、社会全体で十分に認識されているとは言えず、政策や予算の面で優先順位が低くなりがちです。社会的認識のギャップが、こどもにとって必要な遊びの機会や、遊びを支える環境の整備を妨げる一因となっている傾向があります。この状況を改善し、政策と連携することで、日本各地において「遊び」が継続的に振興されていくことが期待できます。

遊び環境を支援することは、未来の経済を支えること

「遊び」は、単なる余暇活動ではありません。それは、こどもの創造性や社会性を育む、未来を形づくるために欠かせない「投資」です。デジタル化の進展と社会の複雑化が進む現代において、こどもが心ゆくまで自由に、そして安心して遊べる環境は、主体的な学びと健やかな成長を支える土台となります。私たちと共に、「遊び」の新たな価値を創造し、持続可能な社会の実現に目指しましょう。「遊び」への投資は、単なる慈善活動ではなく、未来に確かなリターンをもたらす戦略的な選択です。

JUMP-JAM

このプログラムは、世界的なスポーツブランドであるナイキの支援を受け、2017年よりスタートし、現在は全国の児童館や放課後児童クラブなどに広がっている取り組みです。運動遊びを通した身体を動かすことの喜びを体感できるよう、Foundation for Promoting Sound Growth of Childrenと共に多角的な支援を行っています。

The Extra Mile Tokyo

このプログラムは、世界有数の金融情報サービスを提供するブルームバーグの支援を受け、2020年から東京に特化して実施しています。学校や地域のイベント、教室などを通じて定期的に活動しており、スポーツを通して身体を動かす喜びを体感してもらえるよう、Coaches Across Continentsと共に多角的な支援を行っています。

「遊び」への投資がもたらす社会的・経済的インパクトに共感いただける皆さまと、未来を切り拓くプロジェクトを推進していきたいと考えています。